【2024/1/2追記】今からワイヤレス PC VR 環境を構築するのなら、ALVR 以外にもいくつも有力なソフトウェアがあるのでそちらを検討してみてください。
なんと ALVR (Air Light VR) がとうとう Oculus Quest に対応しました!!
ALVR とは何か知らない人は、先にこちらのページをご覧ください。
一言で言うと、PC VR 用のソフトをワイヤレスで Oculus Go や Oculus Quest に転送して遊べるようにしてしまうという神ソフトです。
Oculus Quest 対応はまだアルファ版ということで、一部まだ不具合がありますが、基本的にはこれで完全ワイヤレス 6DoF の PC VR 環境が実現できてしまいます。
【2019/06/07追記】バージョン 2.4.0-alpha5 で不具合はかなり修正されており、サウンド・コントローラともに問題なく使用できるようになりました!
ちまたの企業などに比べて、圧倒的に対応が早いですね。作者様ありがとうございます。。。
ALVR を使うために必要な環境
PC
PC VR 環境に対応した、それなりにパワフルな PC とグラボが必要です。DMM VR 動画プレイヤーを動かすだけなら GeForce GTX 1050Ti or 960 ぐらいでも大丈夫かもしれませんが、その他の PC VR ゲームを動かしたいのであれば、GeForce GTX 1060 or 970 以上のスペックが必要です。
ネットワーク
ALVR は高速な無線接続を必要とするので、802.11ac 規格 5GHz 866Mbps 以上の速度に対応した無線LANルーターが必要です。
また、できるだけ遅延を減らすために、PC と無線LANルーターは1000BaseT(ギガビットイーサネット)の有線LANケーブルでつなぐと良いです。
ALVR を Oculus Quest にインストールする方法
1. SteamVR をインストール
PC にまだ SteamVR が入っていない場合は、Steam VR をインストールしましょう。
Steam 上で “SteamVR” と検索してインストールします。(詳細は省略)
2. ALVR の最新版をダウンロード
ALVR のリリースページ から最新のバージョンをクリックすると、ダウンロードページに飛びます。そこで以下の二つのファイルをダウンロードします。
- ALVR-setup-xxx.exe (例えば ALVR-setup-2.4.0-alpha5.exe)
- ALVRClient-xxx.apk (例えば ALVRClient-GithubNormalOvr-release-v2.4.0-alpha5.apk)
前者がパソコンにインストールする ALVR デスクトップアプリです。サクッと実行してパソコンにインストールしてしまいましょう。
後者が Oculus Quest 用のクライアントアプリです。ただインストールがちょっと面倒で、以下に続きます。
3. 「開発者モード」を有効化する
Oculus Quest 用の ALVR クライアントはまだ公式アプリではないので、開発者モードを有効化しなければインストール・実行できません。そのためには、
- https://dashboard.oculus.com にアクセスし、Oculus アカウントにログインした後、ダッシュボード左側の “Manage” をクリック。
- 右側に “Create New Organization” という画面が出るので、開発のための何か組織を(名前だけ)作ります。
- スマホの Oculus アプリを開き、設定に行きます。
- Oculus Quest のヘッドセットを選択すると、「その他の設定」というのが選べるので、そこから「開発者モード」をオンにします。
4. ADB をダウンロードし、どこかのフォルダに展開
Oculus Go や Oculus Quest は Android スマホの親戚のようです。そのため、開発用コマンドにアクセスするためには、ADB (Android Debug Bridge) というのを Google からダウンロードします。
それをどこかのフォルダ、例えば C:\Users\username\ に展開します。
ADB を展開したフォルダに、adb.exe というファイルがあるのを確認してください。
5. ADB を実行し、ALVR クライアントアプリを Oculus Quest にインストール
まず、adb.exe があるフォルダに、最初にダウンロードした ALVRClient-xxx.apk ファイルをコピーしてください。
次に Oculus Quest を USB ケーブルで PC に接続します。
Windows の検索から cmd とタイプし、コマンドプロンプトを開きます。
そして、コマンドプロンプトから adb.exe があるフォルダに移動し、”adb devices” コマンドを実行してみます。すると、デバイスが “unauthorized” だと言われます。
C:\Users\username>cd platform-tools
C:\Users\username\platform-tools>adb devices
* daemon not running; starting now at tcp:5037
* daemon started successfully
List of devices attached
1PASH9xxxxxxxx unauthorized
ここで一度 Oculus Quest をかぶり、このコンピュータを信頼するかどうかなどと聞かれるので、信頼するを選んでください。
その後、再度 “adb devices” を実行し、unauthorized と文句を言われなければOKです。
C:\Users\username\platform-tools>adb devices
List of devices attached
1PASH9xxxxxxxx device
その状態で、”adb install ALVRClient-xxx.zpk” を実行して、インストールします。
C:\Users\username\platform-tools>adb install ALVRClient-GithubNormalOvr-release-v2.4.0-alpha4.apk
Performing Streamed Install
Success
Success と言われれば成功です。
6. Oculus Quest で ALVR クライアントアプリを実行する
Oculus Quest を装着し、「ライブラリ」に行きます。
「提供元不明のアプリ」というグループに、ALVR があるはずなので、実行します。
あとは PC からの接続・データ転送を待つだけです。
7. PC で ALVR デスクトップアプリを起動
PC から、最初にインストールした ALVR デスクトップアプリを起動します。
- (初めての場合のみ)ドライバをインストールします。
- About タブから “Install driver” をクリック
- Video タブからお好みの画質設定を選びます。例えば
- 画質重視なら Codec=H.265 HEVC, Bitrate=100Mbps, Resolution=150% 3072×1536
- 遅延軽減重視なら Codec=H.265 HEVC, Bitrate=50Mbps, Resolution=100% 2048×1024
そして Server タブから “Connect” -> “Start Server” をクリックします。すると Steam VR が起動し、初期設定の画面が出れば成功です。
【2019/06/07 追記】
バージョン 2.4.0-alpha4 では不具合があり、Sound タブから、”Steam sound” を無効化する必要があったのですが、2.4.0-alpha5 では修正されたようでその必要はなくなりました。
Oculus Quest + ALVR で PC VR 用のアプリを実行してみると・・・
SteamVR のホーム画面が出てきました!
ちゃんと 6DoF で動くじゃないですか!
左右両方のコントローラも使えます!
画面もキレイです!
より詳細な使用レポートは、こちらの記事をご覧ください。
最後に:ALVR のバージョンをアップデート、もしくはアンインストールする方法
Oculus Quest 上の ALVR クライアントを新しいバージョンにアップデートしたい場合は、まず古いバージョンをアンインストールしましょう。
Oculus Quest を USB ケーブルで接続した状態で、以下のコマンドでアンインストールできます。
adb uninstall com.polygraphene.alvr
その後は上記のステップ5で新しいバージョンをインストールし直してください。