【VR】RTX 2080 買っちゃいました。VR 体験はどれだけ向上するのか?
先日、GTX 1070 では HTC Vive Pro の実力を発揮できず、Oculus Go + ALVR を組み合わせた場合とあまり画質が変わらなかった と書きました。これでは高いお金を払って Vive Pro を購入した意味がないので、とうとう GeForce RTX 2080 を買ってしまいました!
RTX 2080 のカタログスペック・ベンチマーク
今まで使っていた GTX 1070 モバイル版 および GTX 1070 デスクトップ版と、RTX 2080 でカタログスペックを比較してみました。
GTX 1070 (モバイル版) | GTX 1070 (デスクトップ版) | RTX 2080 | |
---|---|---|---|
トランジスタ数 | 72億 | 72億 | 136億 |
CUDA Core数 | 2048 | 1920 | 2944 |
GPU Clock | 1442MHz | 1506MHz | 1515MHz |
Boost Clock | 1645MHz | 1683MHz | 1710MHz |
Memory | 8GB | 8GB | 8GB |
Memory Type | GDDR5 | GDDR5 | GDDR6 |
Bandwidth | 256GB/s | 256GB/s | 448GB/s |
TDP | 120W | 150W | 215W |
https://gpu.userbenchmark.com のベンチマークの結果によると、GTX 1070 モバイル版を 100% としたときの相対的パフォーマンスは以下のように表示されています。
- GTX 1070 (Mobile版) : 100%
- GTX 1070 : 121%
- RTX 2080 : 185%
というわけで、今まで使っていた GTX 1070(モバイル版)に比べ、RTX 2080 はおよそ 85% の性能向上となっています。
VR 体験はどれだけ向上したのか?
Skyrim VR
GTX 1070(モバイル版)の時は考えらなかったのですが、RTX 2080 なら HTC Vive Pro ヘッドセットのスペック上の解像度である 2880×1600 を縦横2倍にスケールした、5760×3200 (片目 2880×3200) (SS=204%) という内部解像度でも普通に運用できそうです。
これは、両目で 5760×3200 (18.4M) ピクセルと、4K (3840×2160 = 8.3M ピクセル) に比べても2倍以上に相当する、信じられないような設定です。
もちろんそのような高解像度では、GTX 1070 の時はフレーム落ちしまくってしまい、カクカクでまともに遊べる状態ではありませんでした。
しかし RTX 2080 では、バニラ版の Skyrim VR ならその超高解像度でも場面によっては 90 FPS 出てしまいますし、Mod をモリモリ入れても Motion Smoothing を常時 ON にして 45×2 FPS 運用 で問題なく動いています。
GTX 1070(モバイル版)を使っていたときは、Skyrim VR は Mod を最小限にしないと厳しい と書きましたが、RTX 2080 ではそんなこと気にしなくて良さそうです。
ただし fpsVRでたまにモニタしていたところ、GPU RAM の使用量が 7.2/8 GB まで上がっていることに気づきました。RTX 2080 は、2080Ti や 1080Ti が 11GB 搭載しているのと違ってメモリが 8GB しかないため、4K を超える超高解像度運用では、GPU 描画速度よりもメモリの方がボトルネックになってしまうかもしれません。
Fallout 4 VR
処理がとても重いと有名な Fallout 4 VR でも試してみました。
GTX 1070(モバイル版)の時は SS を 76% に落としても処理落ちが多く、VR 酔いが Skyrim VR よりもさらに厳しかったように感じました。
RTX 2080 なら 4K を遙かに超える 5760×3200 (SS=204%) でも Motion Smoothing を常時 ON にして 45×2 FPS 運用 ならプレイできそうです。ただし、さすがに場面によっては時折1フレーム22.2ミリ秒を超えてしまい処理落ちしてしまうことが気になりました。
それを避けるために、内部解像度 4938×2743 (片目 2469×2743) (SS=150%) まで落としたところ、全く問題なくプレイできており、これでも超精細な CommonWealth の世界を堪能することができます。
[2019/1/14追記] Fallout 4 VR は最適化がイマイチなようで、場面によって処理の重さがかなり変わるようです。上で SS=150% で問題なくプレイできていると書きましたが、Institute の内部などは激しくコマ落ちしてしまいました。安定 45×2 FPS 運用を目指すのであれば、RTX 2080 でも 4032×2240 (片目 2016×2240) (SS=100%) ぐらいまで落とす必要がありそうです。
結論
RTX 2080 は、ベンチマーク上は GTX 1070(モバイル版)に比べて 85% の向上となっていましたが、VR を高解像度でプレイしていているとそれ以上に性能向上があるように感じます。(おそらくメモリバンド幅が1.75倍に向上しているからでしょうか?)
実際、GTX 1070 を使用していた時は HTC Vive Pro のポテンシャルを全く出せていなかったと後悔しています。GTX 1070 では Vive Pro と Oculus Go + ALVR を組み合わせた場合とはあまり画質が変わらなかった と感じていたほどです。
しかし、RTX 2080 に変えてからはスーパーサンプリング(内部解像度)をものすごく上げることができ、それによりぼやけ感の少ない精細な世界を楽しむことができます。 こうなると Oculus Go + ALVR を組み合わせて VR を格安に楽しんでいた場合 とは別世界に思えるほど明確な差が分かり、VR 体験が向上しているように感じます。
VR ゲームでなくても、ディスプレイが WQHD (2560×1440) もしくは 4K (3840×2160) という高解像度の場合も同様に、(メモリバンド幅が1.75倍に向上しているからか)RTX 2080 はカタログスペック以上の性能向上を実感できそうです。
一方で、VR でない通常のゲームをフルHDのディスプレイ 60 FPSでプレイしている分には、よほど重いゲームをプレイしない限り RTX 2080 はオーバースペック気味かもしれません。